2014年1月22日水曜日

迷惑行為等防止条例とPTA集団登下校排除問題

「集団登下校はPTAの事業だ」という表現は間違っている。非常に不適切だ。

その辺りのことについては以前の記事にくどくどと書いた。
  1. 登下校しているのは、PTA非会員の児童生徒 でPTA会員ではない
  2. PTA非会員の児童生徒は義務教育のために登下校しているのであって、PTAの事業を遂行するために登下校しているのではない
  3. PTAが集団登校班の班分け案を作成している場合があることは認める。(その場合の個人情報をどのように入手したのか、合法か否かが疑問)(登校班は児童生徒の親権者たる保護者への提案であって、保護者がPTA会員であったとしても、強制や命令することはできない。任意団体に強制権や命令権はない。)
  4. PTAが登下校時の児童生徒の安全を願って、旗当番や見守り隊などと呼ばれるボランティア活動をしている場合がある(感謝)。その当番表や当番箇所などをPTAが作成していることがある。
  • 上記(3)(4)をPTAの事業だと言うなら話しは分かりやすい。ありがとう。御奇特なことです。感謝します。と素直にそう言える。
  • ところが、学校教育を受けるために登下校しているはずの児童生徒は、PTAが集団登校班(案)を作成した程度で、「集団登下校はPTAの事業だ」とされ、いつの間にか、毎朝PTAの事業に参加しながら学校に行き、毎夕PTAの事業に参加しながら帰宅しているとされてしまっている(PTAが勝手にそう主張しているだけ
  • もし万が一、「集団登下校はPTAの事業だ」とすれば、前記のように学校教育を受けるための登下校がPTAの事業にすり替えられてしまうのでおかしなことになる。また、PTAの事業中の事故等の責任は全てPTA会長(役員)にあることになる。PTA会長ともなれば、町の名士かもしれないが、事故があった時の全賠償責任を負えるとは到底思えない。そこで、事業には保険が掛けられているはずだが、一般にPTA保険は会員(先生と保護者会員)を対象とした保険であって、PTA非会員の児童生徒の傷害保険は(充分に)補償されないはずだ。(ボクは保険には詳しくないので、この辺りは疑わしい。)
  • 「集団登下校はPTAの事業だ」というなら、責任も保証もPTA会長(役員)が担保できなければいけない。当然、そんな責任はたかが任意団体(ボランティア・サークル)PTAに負えるはずもない。個人保証もできないだろう。つまり、PTAもPTA会長(役員)も責任を負えない。
  • 責任は負えないが、権利は俺様のものだという主張は世間では通らない
  • そんなこんなで、「集団登下校はPTAの事業だ」という表現は間違っている。
  • いうならば、「集団登下校の素はPTAがボランティアで作成いたしました」だろう
さて、いつもながら前置きが長くなった。
 錯誤があるのか、悪意があるのか分からないが、違法PTAに嫌気がさして退会すると言い出した保護者に対して、退会はできないとか、認められないとかと言われる場合がある。(PTAはただの任意団体であることはネットで検索すればすぐに分かる時代になってきているし、法律の専門家の新聞記事なども大変わかりやすい。)

 なんとか、ポン助会長に入退会は任意であることを理解させることができたとしても、「集団登校はPTAの事業だから、退会者(PTA非会員)の子どもは集団登下校の班に入れません。」と言われることがある。
 そんな場合に、校長や教委や文科省に電凸して、子どもは全員非会員であって、区別も差別もしてはならないと確認したり、関係者を説得?しなくてはならない。それでも、「差別ではない、線引きだ」などと主張するポン助がいるらしい。
 そんな場合はどうしたらいいかと考えて、近々知り合いの弁護士に聞いてみたいなぁと考えているが、こんな条例があることに気がついた。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-筆者抜粋、改行、着色をする
滋賀県迷惑行為等防止条例(昭和38年10月10日滋賀県条例第3 6 号)

第1条(目的)
この条例は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等を防止し、もつて住民および滞在者の安全と秩序を維持し、ならびに善良な風俗環境を保持することを目的とする。
2 すべての住民および滞在者は、前項の目的を達成するため、不断の努力と相互の協力によつて、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等をなくするようにしなければならない。

第2条(粗暴な行為の禁止)
何人も、道路、公園、広場、駅、水泳場、キャンプ場、興行場、飲食店その他の公共の場所(以下「公共の場所」という。)または汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物(以下「公共の乗物」という。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 通行人、入場者、乗客等に対し、いいがかりをつけ、すごみ、多数で立ちふさがり、またはつきまとう等の不安を覚えさせるような言動をすること。

第7条(座席等の不当な供与行為の禁止)
何人も、公共の場所または公共の乗物において、座席、座席を占めるための列の順位または駐車の場所を占める便益を、不特定の者に対し、対価を得て、供与し、または供与しようとしてはならない。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

義務教育を受けさせるために子どもを学校に通わせている善良な滋賀県民がいる。
学校施設等を無償で使っているPTAという任意団体はボランティア団体だと思っていたら、事情があって退会すると言い出すと、手のひらを返したように、、「集団登校はPTAの事業だから、退会者(PTA非会員)の子どもは集団登下校の班に入れない。」などと、「いいがかりをつけ」=>子どもを仲間外しにしてやるぞという意味になるし、そんなことを言われた善良な滋賀県民は「不安を覚えさせるような言動を」されたことになる。

また、第7条関連では、「集団登校はPTAの事業だから、退会者(PTA非会員)の子どもは集団登下校の班に入れない。」という発言は、

・集団登下校の班というのは、全ての子どもたちのために活動する団体であるであろうことから公共施設等を無償で使っているPTAが作成した公共(全ての児童生徒)に開かれたものであるべきである
・にもかかわらず、それを私物化し、PTAに対価(入会し会費)を払っているか否かで供与するかどうかとしている
ということになり、(座席等の不当な供与行為の禁止)に抵触する。(んじゃぁないか)

このように考えれば、いわゆる「集団登下校排除問題」が発生した場合は、「滋賀県迷惑行為等防止条例」違反となるのではないだろうか。そんな場合は、弁護士に相談したり、警察に相談してみよう。

尚、迷惑防止条例は親告罪でないため、被害者の告訴がなくても公訴を提起することができる。

また、滋賀県迷惑行為等防止条例は第1条に「第2項」がある全国的にも特殊な例なのだそうだ。
我々、滋賀県民は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等をなくするよう、不断の努力と相互の協力をしなくてはならないのです(^^)

逆に言えば、PTA役員や会員は、自らの言動によっていつでも「脅迫」「強要」等じゃないか、迷惑行為等防止条例違反だとと警察に相談されて、事情を聞かれるようなことにならないように、注意したほうがいいってことになるかな。

まぁ、強制・自動加入は憲法違反だとの専門家からの指摘を受けても、襟を正せない団体は、いつまでたっても違法PTAなので、何をやっても違法な方向性を排除できないんだろうなぁ。

最初のボタンを掛け違っているので、途中で誤魔化しても、どこかに無理が生じてしまうんだな。その無理ってので、正直者が馬鹿を見るってことになったり、いわゆる社会的弱者にさらにしわ寄せが行ったりして、PTA被害者が生まれたりするんだろうな。

◆2014年3月7日追記
集団登校に関する通達や文献などをまとめた記事が投稿された。
http://www.think-pta.com/cgi-bin/o_bbs/html/4012.html
【4016】fqk 2014/03/07(Fri) 08:57

5 件のコメント:

  1. いつもブログへのコメントありがとうございます。栗東市の集団登校排除問題については、まだ解決されていないので考えていかなくてはいけないと思います。今後もよろしくお願いします。

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  2. 全ての子どもは守られるべき存在だと思っています。保護者がどのような任意団体にはいっていようが、どのような新興宗教に入っていようが、関係なりと思います。児童生徒は全てPTA非会員です。その中から特定の児童生徒を排除しようとするような団体なら、そのような団体は「迷惑団体」となるでしょう。

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  3. 義勇兵さんの2014年1月28日の記事http://ameblo.jp/giyuhei/entry-11759957522.html拝読しました。学校長とPTA会長連名の文書に「児童の通学班成」という表現が使われていて、いい感じだと思いました。
    集団で登下校しているのは義務教育を受けるためであって、PTAの事業を遂行するためではないのです。PTAか学校かわかりませんが、やっているのは「班編成」!!!

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  4. 来年度からの話で「登校班」関係でもめています。
    うちの学校では子ども会とPTA(地区委員)が一緒になって「登校班」制度(?)を支えています。学校としては「地域別児童会」というのを特別活動(授業)としてやっていて、地域での安全指導(危ない遊び場、事故が起きやすい交差点などについて考える)をしています。
    子ども会とPTAは協力していわゆる旗振り当番(保護者)と登校班(児童)を編成し、管理しています。
    子ども会を辞めると言ったら、会長から以下のように言われました。
    1.PTAと協同してやっている。子ども会をやめることはできない。
    2.子ども会を辞める若しくは役を一切引き受けないのは不公平なので認められない。
    3.非会員の子どもが該当時間で登校するとなれば「登校班」タダ乗りなのでは?
    呆れました。とりあえず、
    1.既にPTAは辞めた。セットで子ども会も辞める。
    2.不公平も何も会員でないものに役を引き受けなければいけない義務は発生しない。
    3.学校に通いにくくする嫌がらせなのか?厳重に抗議する。
    と答えておきました。
    最終的には
    「そこまで言うのなら、子ども会未入会を認めざるを得ないと思いました。ただ、PTAには子どもが登校班に入れるように私からかけあいます」
    別に、「旗振り当番に一切の責任を問いません」といった念書書かされてやってもらっている旗振り当番が何の役にたっているのか分かりません。うちは高齢者世帯が多い地域で暇な(?)ジジババが登下校時間に合わせて犬の散歩やら庭いじりやらをしてそれとなく子どもを見守ってくれている方が多い。今まで怪我したりして泣きながら帰ってきた時付き添ってくれたのはそういった近所の方。旗振り当番は「責任がない」ので付き添って家まできてくれることはありません。

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    1. さやさやさん> こんにちは。
      ご周知のとおり、子ども会もPTAも任意加入=入退会自由の任意団体です。
      入らないといけないという法律も条令もありません。
      また、会長さんはお偉いのかもしれませんが、他の個人と入会契約を勝手に結ぶことはできません。入会契約は会と個人=甲乙の合意がなければ成立しません。「あなたも会員です」と勝手に会員扱いするのは、送り付け詐欺商法と同じようなことです。
      任意加入ですから、個人は任意に(自由意思で)退会できます。退会理由は述べても良いですが、述べなければならないものでもありません。

      さて、集団登下校の班編成をボランティアで成されておられる方々には敬意を表します。加えて、ボランティアで旗振りをされておられる方々にも敬意を表します。
      PTAは全ての子どもの安全を願っていることと思います。
      (ボクの地域では子ども会はそんなに活発に勧誘活動をしていないようです。)入ったことがないので分からないですけど(^^;子ども会も、全ての子どもの安全を願って集団登下校を見守っているのだと思います。

      もし、PTAや子ども会が、団体側の都合などで「ある特定の児童」を集団登下校班から排除しようとするなら、それは、
      1)当該特定児童に対するイジメ(村八分)になります。
      2)特定の保護者に対する嫌がらせだと感じます。
      3)大人がやることか?と思います。
      4)(ライラパパ風に)子どもに説明できるか?と思います。
      5)子どもを人質にとった、陰険な会員&会費徴収方法かい?と疑いたくなります。
      6)教育基本法第4条の精神に反するだろ?!とも思います。
      7)実際に排除された場合の子どもの気持ちを考えてみないの?
      8)ただ乗りと思うということは、集団登下校班ってのは営利活動?
      9)営利活動なら、税金払ってね!(笑)
      10)営利活動なら、事故の場合、当然、団体(会長)の管理責任等を追及するよ!
      11)営利活動なら、会長に賠償能力あるの?
      などと思ってしまいます。

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